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〈彫刻〉と〈工芸〉の狭間をさまよい、フィギュア・食玩好き日本人の
感性のルーツを探る「〈彫刻〉と〈工芸〉−近代日本の技と美」展。
注目の論客を招いたトークイベントも行ないます。



シンポジウム 「〈彫刻〉と〈工芸〉」

10月3日(日) 14:00〜 当館講堂にて 聴講無料

■パネリスト(五十音順)
 大熊敏之氏(宮内庁三の丸尚蔵館主任研究官)
 田中修二氏(大分大学講師)
 山下裕二氏(明治学院大学教授)
 本シンポジウムでは、あらかじめ想定された結論へと導かれてゆくありきたりのシンポジウムではなく、談論風発、どこに行くやらわからないトークショウを目指しています。20分ほどの持ち時間でパネリストの方々にご発言いただき、そのあとは自由な流れの鼎談、そして会場との活発な質疑応答も期待しています。
 宮内庁三の丸尚蔵館の大熊敏之氏は近代立体造形研究の第一人者で、多くの論文をあらわされています。一般向けの最近のお仕事では、東京国立博物館「世紀の祭典 万国博覧会の美術」展の関連イベントで、「日本の<美術>と明治期の万国博覧会」と題する講演をされるご予定。この講演タイトルでもおわかりのように、大熊氏のご研究は本展と非常に近いものがありそうです。
 大分大学の田中修二氏は、1968年生まれの気鋭の研究者です。日本ではまだまだ評価の低い初期洋風彫刻を研究され、大熊氏廣、後藤貞行、新海竹太郎といった彫刻家たちの再評価につとめています。彼らは、高村光太郎、荻原守衛らの先輩世代の彫刻家たちであり、本展にも出品されている作家達です。
 明治学院大学の山下裕二氏のご専門は、日本美術。赤瀬川原平氏との共著『日本美術応援団』(ちくま文庫)では、雪舟、北斎から竜安寺の庭園、装飾古墳までをサカナに赤瀬川氏と自在のトークを繰り広げています。「応援団」シリーズ最新作『日本美術観光団』(朝日新聞社)では、赤瀬川氏、南伸坊氏とともに大熊氏の勤務先・三の丸尚蔵館も「観光」しています。
(文責・村上 敬)






現代日本のアーティストも〈彫刻〉と〈工芸〉の狭間を飛び越えていました。
世界を飛びまわる超多忙アーティストの話を生で聴くチャンスです!



須田悦弘氏  講演会

10月11日(月・祝)
14:00 〜 15:30
当館実技室にて 聴講無料


須田 悦弘《辛夷》2002年
Yoshihiro SUDA メRefrain Pain,モ 2002
 須田悦弘(すだ・よしひろ)氏は1969年山梨県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、1993年に個展「銀座雑草論」でデビューしました。彩色木彫の写実的な技法で実物大の植物を作りあげ、それを会場に配置するインスタレーション作品で世界的に知られています。
 最近の展覧会としては、2002年の「Emotional Site」(佐賀町食糧ビルディング)、「Private Luxury」(萬野美術館)、2003年の「盗まれた自然」(川村記念美術館)、「京都ビエンナーレ」(京都芸術センター他)などがあり、海外ではダメリオ・テラス(ニューヨーク)などでしばしば個展を行なうとともに、ニュルンベルク美術館などに作品が所蔵されています。
本展企画者は、昨年、京都ビエンナーレで須田氏の作品を観る機会がありました。会場の京都芸術センターは廃校となった小学校を利用したもので、京都ビエンナーレでは、この旧校舎の各所に現代作家の作品が配置されました。筆者は階段の降り口の近くで作品名表示を見つけたのですが、肝心の作品をなかなか見つけることができません。いいかげんあきらめかけてふと見上げると、踊り場の天窓の枠に、それはありました。須田氏の作った小さな草が、まるでそこから生えているかのように。
 精緻に作りこまれ、なおかつひっそりとした清楚な余情をたたえる須田氏の作品は不思議な魅力に満ちています。講演会でその創作の秘密が解かれるのが楽しみでなりません。
(文責・村上 敬)



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