伊藤若冲《樹花鳥獣図屏風》(右隻) 当館蔵 |
京―千年の都として伝統を誇るこの町の魅力は、古いものを守り伝えるだけでなく、常に新しい文化を生み出そうとする気概を保ち続けた点にあります。たとえば伊藤若冲。個性的な画風で知られる彼もまた、京の町が慈しみ花開かせた希有な才能の一つです。裕福な商家に生まれ何不自由ない生活を送ったはずの若冲は、絵にのめり込み、他の誰とも似ない独自の画境に到りました。《樹花鳥獣図屏風》の奇想天外な世界は、江戸時代絵画の枠を大きく広げ、その豊かさを強烈にアピールしています。
歴史に支えられた奥深さと、新たな創造を促していく懐の深さ。江戸時代から近代まで、若冲はじめ京を舞台に活躍した画家たちの多彩な作品を通して、その魅力を体感してください。 |
<若冲と同時代の絵師たち−18世紀の充実> 池大雅、円山応挙、長澤蘆雪、呉春、狩野永良 <江戸後期の豊穣> 浦上玉堂、岸駒、山口素絢 <京の伝統画派> 土佐光起、徳力善雪、狩野永岳 <京の近代> 富岡鉄斎、竹内栖鳳、秋野不矩 など |
会期中イベント |
「奇想を競う―18世紀の京画壇」 2月13日(日)午後2時〜 当館1階講堂 講師 : 辻惟雄氏 (多摩美術大学名誉教授・東京大学名誉教授)> |
“風景を考える”講演会シリーズ 「建築が作り出す都市景観の価値―歴史都市・京都で考える」 3月6日(日)午後2時〜 当館1階講堂 講師 : 中川理氏 (京都工芸繊維大学教授) |
学芸員が語るこの一点 2月19日(土)「狩野永岳《三十六歌仙歌意図屏風》」 2月27日(日)「池大雅《龍山勝会・蘭亭曲水図屏風》」 3月5日(土)「伊藤若冲《樹花鳥獣図屏風》」 いずれも午後2時〜 講座室及び展示室(要・観覧料) |
フロアレクチャー 2月11日(金・祝)、3月13日(日) いずれも午後2時〜 展示室(要・観覧料) |
|