シパン王墓の奇跡　黄金王国モチェ発掘展

古代アンデス シパン王墓の奇跡　黄金王国モチェ発掘展

●初公開！ペルーの国宝「シパン王墓」 1987年2月、ペルー北海岸地帯の砂漠地帯にあるシパン村のピラミッドから、大量の金銀装飾品の副葬品を伴う、墳墓が発見された。ほぼ完全な形で残った「シパン王」や「古シパン王」、「神官」の墳墓からは、墓の主や殉死者の遺体と共に、黄金の仮面や首飾り、トルコ石をちりばめた黄金製耳飾りなど、工芸技術の高さを物語る豪華な装身具や副葬品が次々に出土した。この発見に「ツタンカーメン王の墓の発掘と並ぶ、今世紀最大の発見！！」と考古学界は騒然となった。この墳墓こそが、インカより1000年以上遡り、インカ以前（プレ・インカ）の古代ペルーに繁栄した文化の墳墓だった。この時、ペルー北海岸で紀元前後から800年にわたり続いた謎多きモチェ文化を解明するための秘密の鍵が開けられた。ペルーの国宝であるこれらのコレクションの内61点が、日本で初めて公開される。 ●ばらばらにされた生贄と、その分身 モチェ文化の聖地である“月の神殿”に見られる、ダイナミックな壁画を再現し、最新発掘記録を元に、何期にもわたり行われたとされる生贄の儀式を解説する。生贄の人間と共に埋葬され、意図的にばらばらに壊された焼成前の人型土器も初公開する。 ●全ての土器に物語がある！ 文字を持たないの手かがりとして、生前を彷佛させる戦士像など、「モチェ・リアリズム」と呼ばれ高い評価を与えられている数々の象形壷や細密な彩文壷、約130点を展示し、人々の世界観、慣習、死生観などを紹介する。 ●黄金の都、シカンのルーツが見える TBSでは1989年以来、シカン学術調査団を支援し、1994年にその成果を「黄金の都シカン発掘展」として紹介した。モチェ文化はシカン文化につながり、さらにインカ帝国の基礎となる重要な文化であることが分かってきた。謎多き古代アンデス文化の変遷と、それらの文化の宿した秘密が、今解き明かされようとしている。

展示風景