ヘッダー1

 



移動美術展の報告


 本年度の移動芙術展は、小山町総合文化会館(8月29日〜9月8日)と、引佐町健康文化センター(9月21日〜30日)で開催されました。展示テーマは、「静岡ゆかりの画家たち」で、本県ゆかりの絵や作家の作品を中心に、35点が出品されました。来場者の皆さんは、それぞれ自分のお住まいの地で、各作品をお楽しみいただけたのではないかと思います。特に富士山の絵を集めたコーナーは好評で、絵葉書の売上も富士山の絵が一番でした。また、子どもたちに大人気の、触って楽しめる現代美術作品も出品され、親子そろっての来場も目立ちました。

 今年の移動美術展では、次の二つの点に力を注ぎました。一つは、来場者への作品解説を充実させることで、学芸員によるギャラリートークを両会場あわせて10回開催し、聴講者は300人を超えました。会場が小さい分、それぞれの作品を比較して見やすいのが利点でした。

 力を注いだ二つ目は、移動展にあわせて、移動粘土ワークショップを開催したことです。移動展開催地の近隣地域の幼稚園、小学校から希望を募り、そこへ1トンの水粘土を持っていき、楽しく粘土遊びをしました。のべ11校で行い、参加してくれた子どもたちは約640人でした。少しでも美術に興味を持ってもらって、あわせて移動展にも来てもらおうとするもので、地域との連携という移動美術展の可能性を広げるための、新たな取り組みでした。

 移動展を行うたびに思うことですが、開催会場の職員やボランティアさんをはじめとする地域住民の皆さんの熱意には、感謝の念に堪えません。優れた作品を展示し、それを喜んで見ていただく。移動展は、展覧会事業としてはささやかなものですが、来観者に楽しんでもらえるという、喜びのある仕事です。展覧会活動のもっとも基本的な意義と喜びを再確認できること、それが移動美術展の醍醐味なのかもしれません。

(当館学芸員 堀切正人)
小山町総合文化会館での粘土ワークショップ

<< back


来館者の声 ボランティア活動 友の会について 関連リンク
カタログ通信販売 前売り券のご案内 美術館ニュース「アマリリス」より 年報
TOP MENU

ロゴマーク Copyright (c) 2003 Shizuoka Prefectural Museum of Art
禁無断転載・複写