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平成16年度新収蔵品のご紹介
 
 静岡県立美術館では、美術館活動の重要な基盤としてコレクションの充実に重きを置いています。収蔵作品の調査・研究を進めるとともに、継続的に新たな作品を加えてコレクションを活性化し、さらに魅力ある美術館として活動していけるよう日々努めています。
  昨年度は、新しく11件の作品が静岡県立美術館コレクションに加わりました。ロダンの《考える人》小型像をはじめ、話題の作品ばかり。
  4月26日からの「新収蔵品展」でお披露目となりますので、この機会に是非ご来場ください。

【ロダン彫刻】 
  ロダン館開館10周年を記念して、オーギュスト・ロダンの代表作《考える人》(小型像)(図1)を購入いたしました。この《考える人》は、ロダンが生前からブロンズ鋳造を依頼し絶大な信頼を得ていたアレクシス・リュディエという鋳造家による鋳造で、作品には作者ロダンのサインだけでなく、鋳造家の銘が刻まれています。アレクシスによる鋳造は、ロダンの造形意図に最も忠実だと考えられており、とりわけ人物の鋭い輪郭や生き生きとした筋肉の表現が特徴です。また《考える人》のサイズは《地獄の門》の中央に座る「中型像」(63cm)、「大型像」(183cm)、「小型像」(38cm)と3パターンあり、今回「小型像」を収蔵したことで、全てのサイズの《考える人》が 当館にそろったことになります。大正期に日本に渡り、第二次世界大戦の戦禍を免れ、今我々の前に姿を現した《考える人》、普段は展示室につながる大階段のおどり場付近に置かれ、皆様をお出迎えすることになりますが、今後は当館のシンボルとして、様々な場所に伺うことになりそうです。
図1  ロダン《考える人》(小型像)

【日本洋画】 
 日本近代洋画では、風刺画で有名なジョルジュ・ビゴーが伊豆で描いた《富士(伊豆・江浦)》(図2)が収蔵されました。ビゴーは、1882―99年に日本に滞在し、熱海、伊豆などを旅行しながら、多くの風景をスケッチしましたが、この作品は、その旅行の最後に描いたと考えられ、いわばビゴーにとっての「思い出画」とも言うべきものです。遠景に大きく富士を描いた作品は珍しく、草むらの精緻な表現は技法的にも優れており、「風景画家ビゴー」の力量を示す作品です。また、五姓田義松《浜離宮》は、かつての名所を題材にしたものですが、当時海外に多く流出していた「お土産絵」とは違い、パリのサロンで日本人としては初入選を果たした五姓田の堅実な油彩画法を伝えるものです。


図2 ジョルジュ・ビゴー《富士(伊豆・江浦)》
(学芸員 泰井 良)

【日本画】 
 日本画では、まず狩野派3点。当館の狩野派は42点となりました。
  (1661年頃)(図3)は、狩野探幽の待望の花鳥画で松方公爵家旧蔵の優品。既収蔵の富士山図・七賢九老図・瀟湘八景図・一の谷合戦図に花鳥画が加わり、探幽作品に各主題がそろいました。《琴高仙人図》(1659〜98年)は、狩野門下の個性絵師、英一蝶の初期作で、一蝶は初収蔵。《西王母・東方朔図屏風》(江戸中期)は、京狩野六代の永良、31歳で夭逝した絵師の得難い大作です。
  この他《東海道五十三駅》56枚(1844年頃)(図4)は、洋風画家安田雷洲による江戸時代の銅版画。東海道各宿場の連作で、名刺ほどの小画面に風景を克明に描写。封じこめられたまさに小宇宙、小さいからこそ美しい、宝石のような作品です。
(主任学芸員 山下 善也)




図4 安田雷洲《東海道五十三駅》より
〈するがのくによ志ハらひたりにふしを見る景〉

【西洋画】 
 西洋画のジャンルでは、4点の版画作品を新たに購入。イタリアの作家、そしてオランダなどの「北方」で活躍した作家たちの作品が、各2点ずつです。前者は、ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージの《ローマおよびカンポ・マルツィオの地図》とマルコ・リッチの《神殿とゴシック聖堂のある廃墟の眺め》。後者は、ヨハネス・ライシャー及びアントニー・ワーテルローの共作《古城》とアドリアーン・ファン・オスターデの《釣り人たち》(図5)です。
  木造の橋の上から釣り糸を垂れる男と、それをじっと見守る子ども。《釣り人たち》は、日常生活の中に流れる、ゆったりとした時間と穏やかな空気の流れを、白と黒の諧調で見事に表現した、「農民画家」とも言われるオスターデ中期の代表作です。

図5
アドリアーン・フォン・オスターデ《釣り人たち》
(主任学芸員 南 美幸)

information 
●収蔵品展
〇「日本洋画の精髄」
  〜4月24日(日)
〇「新収蔵品展」
  4月26日(火)〜5月29日(日)
〇「西洋の風景画−物語から風景へ−」
  6月5日(日)〜7月18日(月・祝)

●ロダン館、ブリッジギャラリー
「考える人」はじめロダンの代表作と、19〜20世紀の彫刻、ロダンの素描・写真のファクシミリなどを展示。
観覧料 : 一般・大学300円(団体200円)
     小・中・高生、70歳以上無料
開館時間:10:00〜17:30(入室は17時まで)
※企画展をご覧になられた方は、収蔵品展・ロダン館もあわせてご覧いただけます。

●ギャラリートーク
当館ボランティアによる作品解説を行います。
第2・第4土曜日 14時〜/15時〜
 

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