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アルタイの至宝展

7月26日(火)〜9月4日(日)

 この夏休み、県立美術館では、「アルタイの至宝」展を開催 いたします。みなさんは「アルタイ」という言葉からどのような場所を思い浮かべるでしょう。「ユーラシア大陸の中心?モンゴルの奥?うーん、どのあたりだろう」というような感想が一般的でしょうか。中国、ロシア、モンゴルといった国々に比べ、はっきりしたイメージを抱きにくいかもしれません。

 実は、アルタイ地方とはまさにこれらの国々の接する地域であって、東西世界をつなぐ「草原の道」の要衝として、古来、多くの人々が自由に往来していた地域だったのです。現在もアルタイには、「草原の道」の美しく豊かな自然や習俗が残っており、「アジアの真珠」と呼ばれています。本展覧会では、この知られざるアルタイの文化をロシア科学アカデミー所蔵の一級資料によって紹介する展覧会なのです。

 とりわけ、今回ロシア国外へ初の出品となる約2,500年前の男性のミイラは、肩に入れられた動物のいれずみや頭髪の一部まで残っている非常に貴重な資料です(図1)。通常残りにくい布や毛皮などの衣服もよく保存されており、土器や金属器だけではわからない古代の人々の生活の様子を垣間見ることができます。


(図1)《文身をもつ男性のミイラ》初期鉄器時代 紀元前500〜200年

 さらに古くは、約4万年前のマンモスの骨が出品されます(図2)。大きな牙から尻尾の骨まで全身の骨格で、マンモスの大きさ、姿を彷彿とさせるたいへん迫力のあるものです。本展覧会では、お客様みずからこの骨格の周囲を歩き回り、四方からじっくりと見ていただけるように展示する予定です。


(図2)《マンモスの骨格》旧石器時代 約4万円前

 このほか、19〜20世紀のアルタイの人々の民俗衣装や生活雑器なども展示されます。これらはいずれも、この地域の人々の暮らしをささえる豊かな伝統を示すものです。   

 アルタイ地方は日本と遠く離れてはいますが、日本語とことばの構造がよく似ているように、文化的にはむしろ日本人に近い人々であるとも言えます。ぜひ、県立美術館でかれら「草原の民」の文化の精華を味わってください。

            (当館学芸員 村上 敬)


information 
●観覧料
一般・大人1,100円(900円)
小・中・高生 500円(400円)
※( )内は20名以上の団体料金および前売料金

●特別講演会
「アルタイ古墳の発掘」
  8月7日(日) 14:00〜15:30
  講師:西谷正氏(九州大学名誉教授)
「ユカギル・マンモスって知ってる?」
  8月28日(日) 14:00〜15:30
  講師:濱田隆士氏(東京大学名誉教授)


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