アマリリス Amaryllis

2011年 冬 No.100

帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズギッター・コレクション展
2月5日(土)〜3月27日(日)


白隠慧鶴《一富士二鷹三なすび図》

 アメリカ、ニューオリンズと言えば、ジャズを思い浮かべる人が圧倒的に多いかもしれませんが、そこには日本美術のすぐれたコレクションがあります。レーザー治療を専門とする眼科医、ギッター博士が、1960年代から蒐集をはじめたギッター・コレクションで、個性あふれる日本美術コレクションのひとつとして知られています。日本美術のもつ「純粋で、シンプルで、素朴な」美しさ、特に墨線の多様な表現に魅せられた彼は、最初、日本ではあまり注目されていなかった「禅画」を中心に蒐集を行ないました。白隠をはじめとする禅僧の書画に対する評価の高まりは、それにいち早く注目した外国人の目によるところが大きかったのです。
 今回の展覧会は、禅画のほかに、江戸絵画全般にわたるコレクションの全容を本格的に紹介する初の里帰り展です。円山応挙、伊藤若冲、俵屋宗達、酒井抱一ら江戸時代を代表する画家たちの作品を是非お楽しみください。総点数は107点で、見ごたえのある内容になっています。静岡ゆかりの白隠の書画9点ほか、当館ではあまり展示機会が多くない琳派や肉筆浮世絵の展示も見逃せません。また、富士山を描いた作品も4点出品されます。池大雅、白隠、丹羽嘉言、谷文晁の描く富士山はそれぞれ個性的で、江戸絵画において富士山がモチーフとして、いかに描き継がれたかを今に伝えてくれます。会期中の2月23日、静岡県では「富士山の日」を迎えますが、それにあわせ、富士山を愛でた江戸人のまなざしに触れてみることもできます。展覧会は以下の6つのセクションで構成されています。

  1. 若冲と奇想の画家たち
  2. 琳派の多彩
  3. 白隠と禅の書画
  4. 自然との親しみ
  5. 理想の山水
  6. 楽しげな人生

 若冲や蕭白の卓越した画力、琳派の瀟しょうしゃ洒なデザイン、禅画のユーモア溢れる画風と豊かなイマジネーション、そして山水画、花鳥画、浮世絵に見られる自然や日常生活へのあたたかなまなざし——。コレクションはバラエティに富み、江戸絵画の豊かさを多角的に伝えてくれます。またアメリカ人の見た日本美術という視点から、江戸絵画の魅力を再発見する機会となるかもしれません。(当館学芸課長 飯田 真)


酒井抱一《朝陽に四季草花図》

Information

観覧料 一般 1,000円(800円)
70歳以上 500円(400円)
大学生以下無料
()内は前売及び20名以上の団体料金
開館時間 午前10時〜午後5時30分
(展示室への入室は午後5時まで)
主催 静岡県立美術館、NHK静岡放送局、
NHKプラネット中部、中日新聞東海本社

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