アマリリス Amaryllis

2011年 秋 No.103

実技室だより 夏のイベント報告(1)

「夏休みこどもワークショップ」

 「夏休みこどもワークショップでは、こどもたちから元気あふれる力をもらいました」今年の夏は、6日間で子ども向けの3つの企画を行いました。


シルクスクリーンでTシャツプリント~

 参加した子どもたち14名がそれぞれのおもいを込めた下絵を持ちよりました。製版した後、一人にエコバック5枚、Tシャツ9枚、応援幕に3枚を二日間かけて刷りました。刷るごとに色をかえて、版の木枠がずれないように友だちに支えてもらいながら、1枚1枚ていねいに刷りあげました。室内は、合計200枚の作品で溢れかえり、子どもたちも満足した笑みを浮かべていました。作品や応援幕は、被災地の小学校や商工会議所にも送りました。


粘土で≪希望の門≫を作ろう!~

 福島県いわき市立湯本第一小学校と静大附属静岡小学校四年生から送られてきた絵画作品を鑑賞しながら、子どもたちが門のアイデアを絵や言葉で出し合い、門の木の骨組み(高さ180㎝×幅160㎝)に粘土を付けて作品をつくりました。「笑顔の友だちや仲間をつくろう」「花や自然、動物もいっぱいに」「海も太陽も星や虹も」「気球に乗ってどこまでも」「ドラゴンは、みんなの守り神、命となる卵を守っている」「階段をつくって門のてっぺんまで登れるようにしよう」と二日間で合わせて23名の手によって、400kg以上の粘土を使って、すばらしい希望の門が完成しました。


希望の門


~ドライポイントで仙台を結ぶ~

 NPO法人 東北の造形作家を支援する会にお願いして、仙台から岡沢幸さん、高橋久美さんの二人の講師を招きました。二日間で21名の児童が夏休みをテーマにした下絵の上に透明の版を重ね、ニードルや、紙ヤスリで表面をけずり、インクを塗り込んで拭き取り、プレス機を使い1日かけて作品を仕上げました。細かく根気のいる作業でしたが、子どもたちは熱心に描いた後、インクをのせ、手が真っ黒になりながら、刷り上がった作品を見て、驚きの声をあげていました。インクの拭き取り方によって背景の濃淡が変わることに気がついて拭き取り加減を工夫する子もいました。3つの企画の作品や写真は、県民ギャラリーにも展示されました。
(当館学芸課主査 伴野 潤)


ドライポイント

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