コレクション新収蔵品

2009年 静岡県立美術館 収蔵作品

日本画 |  油彩 |  水彩・素描 |  版画・写真・彫刻 |  ミクスト・メディア

版画

エリック・デマジエール 1948年-

エリック・デマジエールはモロッコ生まれの版画家。フランス国立政治学院に学んでいたが、版画に転向した。幻想的な作風を持ち、緻密な構成と丹念な描写を駆使して銅版画の力を存分に発揮している。空想の都市を描いたこの作品では、ゴシックの聖堂建築と謎の球体、岩山と融合した建築や、水晶の結晶のような建物など、抽象性を含んだ不思議な眺望を見ることが出来る。銅版画の上から手彩色が加えられており、版画ではあるが1点限りという個体性を強く帯びている。

想像の街IIの画像
《想像の街II》
1999年
17.8×47.2cm
紙、エッチング、アクアチント、手彩色

フランク・ステラ 1936年-

1982年から85年にかけて制作された「スワン・エングレーヴィング」シリーズのうちの1点。金属レリーフ・ペインティングの「サーキット・シリーズ」を制作する過程で出た金属スクラップを版として使用している。ファウンド・オブジェクトや他作品の部品を版として再利用することは、これ以降のステラの版画制作を決定づけることとなる。題名は、刷りを担当したスワン・エングレーヴィング社の社名に由来している。

《Swan EngravingV》
1985年
シート 151.1×126.4cm
イメージ 149.6×125.4cm
エッチング、エングレーヴィング、紙

リチャード・セラ 1939年-

セラは最初、画家から出発したこともあり、オイル・スティックによるドローイングを多く制作している。リトグラフはその延長上にあるものであり、粘性の高いペイントスティックによるプリントは、通常のインクで刷られたプリントの上に層となって重ねられ、特有のマチエールを生み出している。エディション2/57。

《Du Conmo》
1972年
シート 130×103cm
リトグラフ

ドナルド・ジャッド 1928-1994年

ジャッドは1970年代に入ると、それまで制作していた木版画に加えて、エッチング、シルクスクリーン、アクアティントなどの版種にも取り組むようになる。エッチングの特性を生かし、線のみで、端正に幾何学的形体を描き出す。それは他の版種が面や色のバリエーションを楽しむのとは対照的であり、ジャッドの禁欲的な方向性を最も端的に表す版画作品となっている。本作はエッチングとしては最初期の作例にあたるもの。6点組の1点として刷られたもの。エディション5/35。

《無題》
1974年
79.5×107.2cm
銅板、エッチング

菅井 汲 1919−1996 (大正8-平成8)年

1980年代半ばに制作された《空間》シリーズの内の一点。横長の画面の中に複数の造形的要素が組み合わされる。菅井は、1960年代半ばからは造形要素を極度に切り詰められ単純化された作風を展開するが、1982年頃から、その作風を一変させる。本作《空間(正面)》では、従来からの幾何学的な造形単位の配置が行われる一方で、斜め方向の運動性、空間の暗示、色面処理の変化の点で、1982年以降の油彩画に通じる要素を色濃く持っている。とりわけ、スポンジでたたくなどして塗られた不均質な色面、絵の具の素材感や筆触を生かした作品の風合いを見せている。エディション8/15。

空間(正面)の画像
《space -the front》
1984(昭和59)年
125.0×249.0cm
紙、リトグラフ

写真

小谷元彦 1972(昭和47)年-

人気アニメーションからインスピレーションを受けて制作された作品。中央の椅子に座る女性は、アニメーション中では戦死している女性の登場人物だが、ここでは彼女だけが生かされており、生死の世界が逆転している。地面に転がる骸骨は、石膏でかたどりをして作られている。背後の風景は、中国の砂漠地帯で撮影された実写画像で、最終的な仕上げの段階で、実写画像とCGが組み合わされている。ed.1/5

水上の蛍の画像

《胸いっぱいの愛を》
2005年
172.7×122.5cm
デジタルプリント、ウッドフレーム

彫刻

小池一誠 1940-2008 (昭和15‐平成20)年

トリッキーな性格が強かったグループ幻触の中では、物質をそのまま扱う方向性を示した作品で、もの派との関連を強く思わせる作品。第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)に出展された際には、部屋に大量の石を積み上げたが、会期終了後、それらの石は作家の自宅の庭に埋められて保管されていた。本作は、後年、作家自らがその一部を掘り出して、再構成したもの。グループ幻触の理論的主導者であった石子順造の丸石神信仰との関連も想起させる。

水上の蛍の画像

《石》
1970(昭和45)年
サイズ可変(展示した状態で40.0×190.0×39.0 cm)
品質、形状:石

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