あの光琳に画を教えた山本家、今度は影響される。
山本探川 《宇津の山図屏風》
1755-69(宝暦5-明和6)
紙本着色、二曲一隻屏風
163.5×175.0cm
静岡・岡部境の宇津山は『伊勢物語』「蔦の細道」の舞台。曲折する山道、紅葉の蔦が物語を象徴する。主人公の在原業平や旅僧を描かない「留守模様」だ。鮮やかな緑の半円の反復、金泥で波を描く群青の海は、明らかに尾形光琳からの影響である。
山本探川(1721〜1780) 江戸の狩野派の京都支社である山本家の第五代。第三代素軒は、尾形光琳の若い頃の師で、狩野探幽の門人。