コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

繊細な描写発見—魚影のぞきこむ子供、宙舞う雀。

狩野探幽 《竹林七賢・香山九老図屏風》

17世紀(江戸初期)
紙本墨画淡彩、六曲一双屏風
各144.2×337.0cm
文献:21,69

中国・魏晋時代の竹林七賢の話と、唐の詩人白楽天ら九老が香山に集った話の組み合わせ。柔らかな筆触の水墨と広い余白が、抒情あふれる絵画空間を生んでいる。小川の魚影、竹の梢の雀、子供らの表情豊かな身振りなど、繊細な描写に注目したい。探幽早年期の代表作。

狩野探幽(1602〜1674) 狩野派の巨匠。徳川幕府の御用絵師。以後の絵画界に大きな影響を及ぼした。 当館には、40代(本作)、50代(作品作品)、60代(作品)と、探幽の各時期の優品がそろっている。

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