ふわふわ感とざらざら感、触覚対比の妙
円山応挙 《木賊兎図》
1786(天明6)
絹本着色
104.5×42.0cm
文献:38
繊細な毛描きをほどこした可憐なうさぎさん。緑色の上に極細の墨線で筋目と節を表わした木賊。柔らかさと硬さ、ふわふわ感とざらざら感、丸みと垂直の鋭さ、そうした質感や形態の対比が見事。抜群の描写力と気品、応挙の写生の魅力を最もよくしめす作品だ。
円山応挙(1733〜1795) 近代の京都画壇へつながる円山派の祖。写生を基本とした再現的な描写と装飾的な画面構成によって平明な画風を確立、京の人々の人気を一身に集めた。