展覧会2013年度 企画展

グループ「幻触」と石子順造 1966-1971 〜時代を先駆けた冒険者たちの記録〜2014年2月1日[土]→3月23日[日]

主な作品はこちら

全体性としての「世界」とか「現実」ないし「芸術」を、ぼくらは世界と個、現実と非現実、芸術と生活といったふうにいい、その場合の「と」、すなわち〝アンド〟をこそ、いつも問題にしてきたはずだった、と思い返してみればいい。
石子順造『絵画論としての絵画』より


グループ「幻触」
「『幻触』虚在と実在を追う冒険者たち展」にて撮影
(1967年8月 会場:静岡県民会館)


杉浦康平「トリックス・アンド・ヴィジョン展 盗まれた眼」
ポスター 1968年 武蔵野美術大学 美術館・図書


グループ白『フェニックス1号』
1960年 個人蔵 撮影:木奥惠三 
 飯田昭二、鈴木慶則、前田守一、丹羽勝次、小池一誠を中心にして、1966年に静岡で結成された美術家集団、グループ「幻触(げんしょく)」は、1956年から64年まで清水で暮らし、東京に仕事場を構えた後も親交が続いた、美術評論家の石子順造(1928~1977)との関わりを通して、時代を先駆ける作品を発表しました。
 1968年に、石子順造と中原佑介が共同企画した「トリックス・アンド・ヴィジョン盗まれた眼」展では「見ることのあいまいさ」を問う作品を、また、1969年に開催された「第9回現代日本美術展」では、木や石などの自然物に対する人工的な関わりを最小限にとどめた作品を発表し、のちに「もの派」と呼ばれる作家たちの最初期と近接する傾向を示し、同時代の美術動向において存在感のある足跡を残しています。
 石子順造との熱い議論や濃密な関わり、石子を介した中原佑介、針生一郎、高松次郎、李禹煥ら気鋭の評論家や作家らとの交流は、「幻触」のメンバーを、静岡という一地域を超える活動へと導きました。こうした「幻触」の活動は、2000年以降に静岡でおこった再評価の動きをきっかけに、注目を集めるとともに、近年、美術に収まらない多様な文化領域を内包した石子順造の活動に対する再評価が進んでいます。
 本展では、「幻触」の前身となる1950年代後半のグループ「白」の時代にさかのぼり、「幻触」が精力的に活動した1960年代後半から1970年代初頭までを主軸に、代表的な作品を数多く紹介します。本展のために、現存しない作品についても一部再制作をし、作品の意味を改めて問いかけます。
 それとともに、石子順造の世界観と交友関係を伝える、石子旧蔵の品々、美術作品、原稿、写真、音声などの資料および、「幻触」と同時代の美術の動向を特徴づける、重要な作家の作品を展示します。並べて見ることを通して、時代の表現の中におけるグループ「幻触」の作品の意味や、同時代の美術に石子順造と「幻触」が果たした役割について検証します。

開催期間 2014年 2月1日(土)〜3月23日(日)
開館時間 午前10時〜午後5時30分
※展示室への入室は午後5時まで
休館日 毎週月曜日
観覧料 一般 1,000円(800円)
70歳以上 500円(400円)
大学生以下無料
※()内は20名以上の団体および前売料金
※ロダン館も併せてご覧いただけます。
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方と付添者1名は無料

会期中のイベント 詳細は、こちらまでお問い合わせください。 当館学芸課 TEL:054-263-5857

※いずれも申込不要、先着順。

シンポジウム 「石子順造、グループ『幻触』、1960年代」 ※終了しました。
3月9日(日) 13:30~16:30
会場:静岡県立中央図書館(静岡県立美術館となり)講堂
パネリスト:椹木野衣氏(美術評論家、多摩美術大学教授)
梅津元氏(埼玉県立近代美術館 主任学芸員)
加治屋健司氏(広島市立大学 准教授)
※事情により、中井康之氏(国立国際美術館 主任研究員)に代わって梅津元氏(埼玉県立近代美術館 主任学芸員)にご出席いただくことになりました。
司会:川谷承子(静岡県立美術館 本展覧会担当学芸員)
※申込不要、先着順、無料。
学芸員による
フロアレクチャー
3月2日(日)、16日(日) 各日14:00~
当館学芸員が展示室にて展覧会の解説を行います。
各日14:00~ 会場:当館展示室
※申込不要、展覧会入場料が必要です。
ギャラリーツアー 当館ボランティアが対話形式で展示室の作品をご案内します(各回30分程度)。
集合場所:収蔵品展入口、申込不要
2月16日(日)、22日(土)、3月8日(土)、22日(土)
各日13:00~、14:00~、15:00~
会場:当館展示室
※申込不要、展覧会入場料が必要です。
演劇公演 ハプニング劇『此処か彼方処か、はたまた何処か?』」 ※終了しました。
作:上杉清文、内山豊三郎 演出:大岡淳 出演:SPAC
2014年2月14日(金)19:00開演、15日(土)19:00開演、16日(日)15:00開演
会場:アトリエみるめ(静岡市駿河区寿町12-21) 料金:1,500円
主催:ふじのくに文化・芸術振興事業実行委員会、SPAC-静岡県舞台芸術センター 協力:一般社団法人 静岡アート支援機構 支援:平成25年度文化庁地域と共働した美術館・歴史博物館活動支援事業
お問い合わせ先:SPACチケットセンター Tel. 054-202-3399 http://www.spac.or.jp

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主催:静岡県立美術館 特別協賛:鈴与株式会社