1891年のスーラの死は、 シニャックにとって大きな打撃でした。 失意のシニャックは、友人の勧めで南仏に移り、 制作のかたわら地中海をヨットで航海しました。 サン=トロペは、そのときに知った小さな漁港で、 彼は1913年頃までこの漁港を中心に活動しました。 この絵に描かれた眺めも、 サン=トロペ湾をその西側にある グリモーの古城から見たものです。 中世の遺構である古城と丘の斜面をいろどる黄色、 ピンク、オレンジ色の暖色は、 群青や青紫の寒色と呼応し、 バランスのとれた構図に 色彩の輝きと調和を与えています。
新印象主義とフランス絵画の流れ
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