1887-1948(明治20-昭和23)
京都に生まれる。本名幾次郎。1902(明治35)年、四条派の森本東閣(幸野楳嶺の二男)に入門、波光の号を受ける。 |
草園の朝 1926(大正15)年 |
木僅(むくげ)であろうか、枝先の白い可憐な花にそっと手をのばす若い母親と、乳母車のかたわらで無心に遊ぶ、白いエプロンをつけた幼い女の子。そして、そのふたりをつつむ草木の繁茂する草園。しかしこの画面には、鬱蒼(うっそう)とした夏の園の息苦しさや母子の距離(へだたり)からもたらされる一種の心理劇的な寂しさや悲しみはない。 |