1769−1836(明和6−天保7)
孝敬は江戸後期に活躍した円山派の絵師。円山応挙の晩年の門人であるが、応挙門十哲のひとりに数えられている。伝統的な狩野派の画法や応挙の写生画を消化し、さらに写生を推し進めた画風で、京都画壇にその足跡をのこした。 本作はふたつの中国故事を取り合わせた屏風。右隻の滝や、左隻の雪をかぶった樹木の表現など、応挙画風を受け継ぎながらも、より鋭敏な、あるいはより瀟洒な画風へと変容をとげており、孝敬独自の清新な感覚が見て取れる。