18世紀後半−19世紀前半
武陵桃源図屏風 19世紀前半(江戸後期) |
文鳳は岸駒(がんく)に師事した岸派の絵師。京都で活躍した。岸駒のほか諸家に出入りして自己の作風を形成したと評される。絵入版本を多く出版するなど、当時においてはかなり有力な画人であったと思われるが、遺作はきわめてすくない。 本作は、武陵桃源の故事(桃の花の咲く仙境に漁夫が迷い込み、帰るのを忘れたという故事/出典は陶淵明の『桃花源記』)を力強い独特の筆致で描いた屏風で、文鳳の風景表現の特徴をしめした大作として貴重である。 |