1796−1858(寛政8−安政5)
干瓢干し図
19世紀中頃(江戸後期) 絹本着色、掛幅装 112.3×39.2cm 平成10年度購入
其一は、江戸琳派(りんぱ)の画家。酒井抱一の門人で、師の画風を継承しつつも、それを進化させ、より鋭敏な感覚と大胆な画面構成で、江戸時代後期の江戸画壇に新風を送った。 本作は、干瓢づくりの様子を描いた風俗図で、氷つくようにとらえた人物表現など、其一画の特徴がよく示されているが、其一の関心は、干された干瓢が風に揺らぐその形状にあり、研ぎ澄まされたその描写が、本作の見どころとなっている。其一工房が始動した其一晩年の作。