1749-1838(寛延2-天保9)
芙蓉峰図 19世紀前半(江戸後期) |
岸駒は江戸後期に京都を中心に活躍した絵師。越中または加賀の出身とされ、上京後まもなく有栖川家に仕えた。清水庵原の文人画家、山梨鶴山・神戸麗山・柴田泰山に影響を与えた岸派の祖で、当県ゆかりの絵師でもある。虎の絵を得意としたことで知られるが、本作は大画面に富士を描く珍しい作例。余白の多い簡略な画面ながら、特有の震えるような運筆が見られ、岸駒の特徴をよく示している。右上有栖川宮の賛は「たなひく雲より 白雪のみゆるは ふしの高根なりけり」 |