1750-1837(寛延3-天保8)
富士三保松原図 1822(文政5) |
在中は江戸後期に京都で活躍した絵師。石田幽汀に絵を学び、繊細で調和のとれた様式を確立、「原派」の祖となった。山水人物花鳥ほか幅広い主題を、漢画・やまと絵の両様で描いた。富士山と三保松原を組み合わせて描く作品は伝統的に多く見られるが、本作では、現実の眺望に近い横長のパノラマ画面、細部まで丹念に描きこんだ精緻な描写により新たな画趣が生まれている。在中73歳の晩年期の作であるが、新たな富士山図創造への意欲が感じられる。 |