1785-1835(天明5-天保6)
19世紀前半(江戸後期) |
探信守道は、鍛冶橋[かじばし]狩野家第七代。江戸後期の狩野派のなかでも、大和絵風の優美な画風を得意とした。右隻に立葵[たちあおい]・百合[ゆり]・燕子花[かきつばた]など夏の草花、左隻に薄[すすき]・女郎花[おみなえし]・菊・萩など秋の草花を描き、各所にさまざまな小鳥たちを配す。江戸狩野の画にしばしば登場する拡大視された渓流の描写、大和絵や琳派の手法による遠山や流水の描写など、江戸後期狩野派の特色がよくしめされ保存状態もよい。濃彩でなく淡彩を用いた流水の藍色は、他の探信画にもみられる。 |