1613-1685(慶長18-貞享2)
猿曳き・酔舞図屏風 |
収穫の喜びにみちた農村風景。猿まわし見物や酔って踊に興じる農民たちの姿が、躍動感ゆたかに描かれている。新発見の屏風で、抑制された筆墨によって人物のさまざまな姿態が的確にとらえられており、速度ある大胆な筆づかいによって樹木や竹が伸びやかに表わされ、活力にみちた画面が生み出されている。安信は狩野探幽の弟で、跡継ぎのいなかった狩野本家に養子に入り相続、江戸幕府の御用絵師として活躍した。墨のあつかい、画面構成、落ち着いたムードなど、安信作例中、出色の優品である。 |