1734-1806(享保19-文化3)
芙蓉峯細見之図
1799(寛政11)頃 53.0×65.6 紙本墨画着色、掛幅装
寛政10年、11年、二度に渡り富士登山をした武禅が描いた異色の富士山図。特に登山口、頂上付近は細かく描写され、登山記録画の様相が強い。丸みを帯びた富士の形は、現実とは程遠いが、現実と虚構のギャップが面白い。雲などの表現は絵画的でもあり、不思議な魅力をたたえている。 武禅は大阪の人。初め船頭を業としていたが、天目釜彫物を学び、彫金を手がけた。のち月岡雪鼎に画を学び、自ら宋元の古蹟を研究して一家を成し、山水人物を描いた。