1765-1848(明和2-嘉永元)
日金山富嶽眺望図
1839(天保10) 67.5×131.7 布地墨画着色、掛幅装
日金山(十国峠)から望む絶景――中腹に雲がたなびく富士山と、その手前に連なる箱根の連山――が描かれた大作。画面左下に二人の人物が対照的に小さく描かれるが、その一人は作者本人なのかも知れない。通常用いられる絵絹より目の粗い布地(葛布か)に描かれた点も本図の特徴である。 雲峰は江戸の文人画家。幕府の旗本。谷文晁門の鈴木芙蓉の高弟。歌川広重の師としても知られる。また、吉原宿で活躍した郷土の文人画家・鈴木香峰の師でもある。