1745-1820(延享2-文政3)
抱琴訪隠図 1813(文化10)年頃 紙本墨画淡彩、掛幅装 112.0×62.8cm 平成17年度購入
自由奔放な筆遣いが冴えた山水画の傑作。墨のトーンと運筆の変化を駆使し、ピンと張り詰めた緊張感をただよわせている。琴を抱えた高士が山中の隠者を訪ねるという画題は、琴士でもあった画家自身を重ねているのかも知れない。浦上玉堂は、日本文人画のみならず、江戸絵画の中で欠かすことのできない個性派の画家である。本作は70歳頃制作の新出作品であるが、玉堂水墨画の魅力を余すことなく伝えてくれる。