1932-(昭和7-)
「次郎長バー」 1985(昭和62) |
清水ゆかりの次郎長が刀片手に豪快にお酒を飲む場面に窓から怪物が乱入。立ち向かうワンダーウーマンの手にはピストル、足許には生首が転がる。酒ビンやダンボール、鏡、タイルなど、生活の端々にころがるガラクタが材料となり、次郎長の粋な雰囲気と、作者が暮すニューヨークの雑多な街とが渾然一体となったような賑やかさだ。作者の篠原有司男は1960年に当時の芸術や社会に反旗を翻した美術運動の一つ「ネオ・ダダ・オルガナイザーズ」を結成し、それまでには考えられなかったようなやり方で日常生活の一場面を切り取る独特な作品を作り出した。1969年に渡米以来、ニューヨークを拠点に旺盛な活動を続けている。 |