1886−1968
モンルージュ、パリ
1918年 キャンヴァス、油彩 41.0×33.5cm 平成10年度購入
エコール・ド・パリの作家として名高い藤田は、大正2(1913)年にパリに着き、翌年勃発した第一次世界大戦の間もヨーロッパに残留し、貧窮の中で藤田独自の絵画の創出に苦心を重ねた。 本作はその努力が作品に実りはじめた頃の作品で、戦後まもないパリの陰鬱な雰囲気が、油彩画ながら、にじみぼかしの技法を用いて描かれている。モンルージュはモンパルナスから約2km離れたパリ市のはずれで、当時はまだ残っていたパリ市の城壁が描かれているのも興味深い。