1911−1974(明治44−昭和49)
冬畠
1965(昭和40)年 キャンヴァス、油彩、方解末、墨 90.9×60.6cm 平成10年度購入
東京美術学校西洋画科に学び昭和14(1939)年の文展で《兎》が特撰となる。第二次世界大戦応召と、シベリヤでの捕虜生活が彼に大きな転機を与え、その苛酷な体験は代表作であるシベリヤ・シリーズの制作へとつながった。また、具体的モチーフを精神の内部で高く昇華して絵画化し抽象表現に至る、独特の画風を作り上げた。 本作は自宅近くの風景で、粗い黄土色の下地に墨色の層が寒々とした畦を思わせるが、景色そのものではなくその本質のみを抽出し、画面に表現している。