1936−
線より 1979(昭和54)年 |
昭和31(1956)年に来日、日本大学で哲学を学ぶかたわら絵画を描き続け、昭和44年には論文「事物から存在へ」で芸術評論賞佳作に入選、70年代はじめまで関係や構造を把握・認識する「もの派」の理論的支柱となった。本作はその理論的帰結を示す作品として、昭和48年から制作された「線より」のシリーズの最後期に位置する。のびやかに、かつ気迫のこもった4本の線が書き下ろされた白いキャンバスは、その「関係」により、一気に緊張しつつもかつ膨らみのある空間となる。のちの「照応」シリーズを予感させる作品。 |