1758-1846
山の見える牧歌的風景
1790年代 油彩、キャンヴァス 81.5×111.7 平成10年度購入
ビドーの風景画様式と芸術観が形成されたのは、1785年から5年に及んだ第一回目のイタリア滞在中であった。浅瀬を渡る牛の群れ、量感のある葉群をつけた木立、遠方の山なみなどを組合わせた本作品は、新古典主義時代のフランスで賞賛された17世紀の古典的風景画、とくにクロード・ロランの牧歌的風景画を想い起こさせる。戸外で観察した自然の諸部分をアトリエで再構成したビドーらしい風景画の作例である。