1757-1841
「パリ、マドレーヌ大通りの窓からの眺め」 |
デュヌイは、ナポレオンが権勢をふるった時代に、フランスとイタリアで活動した風景画家。この作品に描かれているのは、フランス大革命後のパリの眺めで、おそらくマドレーヌ大通りの高い窓からモンマルトルの丘を望んでいるのだろう。19世紀初頭のパリは、すでにヨーロッパ最大の都市となっていたが、市街は平地に留まりまだモンマルトルの丘の方には延びていなかった。屋根の傾きや高低、市街から丘・空への色調の変化には、デュヌイの鋭敏な観察眼と確かな描写力を見ることができる。 |