1874-1941(明治7-昭和16)
紀州勝浦
1910(明治43) 59.0×74.8 キャンヴァス、油彩
デッサン、構図ともに作者の安定した力量を感じさせる佳品。穏やかで優雅なトーンを基調としつつ、随所にみられる鮮やかな紫や緑が印象的である。 海岸や渓流の岩場の風景というモチーフは、作者晩年の昭和時代に多く描かれた重厚な風景画に連なるものである。また、小山正太郎の不同舎における自然風景描写の修練によって作者の画技が磨かれたことを思い起こさせる。