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宮脇 愛子
MIYAWAKI Aiko

1929(昭和4)-2014(平成26)

1929(昭和4)年熱海市に生まれる。昭和27年日本女子大学卒業。翌年文化学院で阿部展也、斎藤義重に師事。同年サンタモニカ・シティカレッジ、カリフォルニア大学に学ぶ。昭和38年第3回パリ青年ビエンナーレに出品。同42年グッゲンハイム国際彫刻展買い上げ賞受賞。同52年第7回現代日本彫刻展で北九州市立美術館賞受賞。同58年第2回ヘンリー・ムーア大賞展でエミリオ・グレコ特別優秀賞受賞。近年は《移ろい》シリーズを精力的に手掛ける。


作品

1986(昭和61)年
真鍮 119.0×115.0×17.0cm
昭和61年度 田村てる静氏寄贈

この作品は、1967年のグッゲンハイム美術館国際彫刻展買い上げ賞を受賞した代表作《Work》の再制作作品である。真鍮の角柱パイプを重ねることで、格子(グリッド)構造をもった構成物が形成されているが、所々に直方体の空虚部分が見られ、変化を見せている。また、構造体となっていない角柱パイプは前後に任意に出し入れができるようになっており、このグリッドを前後に凹凸をもった複雑な構成物にしている。水平・垂直、グリッドといったミニマル・アート的なクールな表現の中に、不規則な空虚部分や任意の作業による凹凸といった、ある種の情緒性や他者の意志を介在させることによって、ハードとソフト、構造と環境の拮抗する作者独自の表現となっている。それは、まさに真鍮の角柱パイプのグリッド構造が視点を移動することによって物質感が稀薄になる着想にも見られる。またグリッドを通して見る向う側の光景は独特の効果をもっている。ここに見る変化の着想は、後の《移ろい》シリーズへつながっている。(N)

作品12

1962(昭和37)年
パネル、油彩・大理石粉 121.0×181.5
平成13年度購入

静岡県熱海市出身。初め斎藤義重、阿部展也に学び、その後瀧口修造、マン・レイにも影響された。1960年前後より、網目・矩形・不定形等の基本形態を反復・集結させるユニズム(単位主義)的作風を展開、色彩や線による過度な表現を抑制し、ミニマル・アートの動向に先鞭をつけた。≪作品12≫は、大理石の粉を混ぜた油絵具の垂れを反復し、平塗りされた右方の面と対照してイメージの広がりを求めている。同じコンセプトは当館所蔵の立体≪Work≫に発展し、近年の環境造形につながっている。


作品収集の方針と特色

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