1752-1797
ポルティーチからヴェスヴィオ山を望む 1782年 |
カズンズは、生涯に二度ヨーロッパ大陸を訪れている。その時の経験は、主題の選定や技法の確立など、彼の画歴に深く関与した。本作は、再度イタリアを旅行した際に制作された。アンデルセンが『即興詩人』の中で噴火の模様を描写したヴェスヴィオ山を背景に、ナポリの乾いた肥沃なカンパーニャが広がる風景を、抑制された色数ながら、微妙な色調と濃淡で表現している。コンスタブルは、「かつて風景画を描いた画家の中で史上最高の天才」と彼を称えた。 |