英国ロマン派展
The Victorian Imagination 英国ロマン派展 |
「パックス・ブリタニカ」(英国の支配による平和)。産業革命という洗礼をいち早くうけた大英帝国は、ヴィクトリア女王の治世下、いわゆるヴィクトリア時代(1837-1901)に未曾有の繁栄を謳歌しました。同時に英国美術界も、新たに台頭してきたブルジョワをパトロンとして、燗熱の時を迎えます。 19世紀半ば、再び活気を呈し始めた英国絵画は、その後様々な道を模索し、ある者は古代の歴史、神話や文学をモティーフに、歓喜と悲哀が交錯する人間ドラマを織り上げ、またある者は色彩と形態の美を追求するために、官能的で優美な女性像を描き続けました。しかしそれは、経済的繁栄とは裏腹の、実は偽善と矛盾に満ちたヴィクトリア社会と合わせ鏡の関係にあるのかもしれません。 |