ヘッダー2

ロダンの水彩画とデッサン展


平成11年10月30日(土)〜12月19日(日)



ロダン館開館5周年記念/パリ・ロダン美術館所蔵
ロダンの水彩画とデッサン展

 ロダンの水彩画とデッサン、と聞いて、不思議に思う人も多いでしょう。ロダンと言えば、《考える人》や《地獄の門》が思い浮かびますし、静岡県立美術館にも、すでに32点の彫刻が展示されています。
 しかし、1910年、ロダンはこう語っています。「私は彫刻家である以前に、素描画家である」と。ロダンにとってのデッサンは、決して彫刻を制作するための準備作業ではなかったのです。
 もちろん、若い頃にはイタリアに出かけ、ミケランジェロの彫刻を模写していますが、こうして描いたデッサンを切り取り、大きな紙の上に貼り、コラージュにした同時期のクロッキーは、ロダンの豊かな想像力を示すものです。
 その後、ロダンのデッサンは、複数の人物を切り離して再び構成する「アッサンブラージュ」、1906年にマルセイユの植民地博覧会で目にしたカンボジアの踊り子、あるいは色鮮やかな水彩・パステルに彩られた多くの女性像などへと展開します。ここにはロダンの自由奔放な筆致と様々な新しい試みが見られるのです。
 浮世絵など日本美術をこよなく愛したロダンは、そのデッサンを自ら「西洋の手法で描いた日本美術」だと語り、明治44年(1911年)には白樺派の作家たちを通じて、日本におけるデッサン展の開催を提案しています。残念ながら開催には至らず、以後日本では、ロダンの水彩画とデッサンのみを集めた展覧会は開かれませんでした。
 この展覧会は、ロダン館開館5周年を記念して、パリ・ロダン美術館が所蔵するロダンの初期から晩年までの水彩画とデッサンの中から、約100点を精選して紹介するものです。ロダンの彫刻だけではなく、魅力溢れる水彩画とデッサンの世界を充分にお楽しみ下さい。


展示作品リスト



展示日程 ロダン館 屋外彫刻 企画展実績
TOP MENU

ロゴマーク Copyright (c) 1999 Shizuoka Prefectural Museum of Art
禁無断転載・複写