ヘッダー2


「最後の将軍」慶喜の新出油彩画、公開!



本年度、徳川慶喜の油彩画が静岡県立美術館に寄贈されました。県立美術館ではこれを受け、「静岡ゆかりの画家たち」展(3/3-4/4)で、この作品を県民の皆様にお披露目させていただくこととなりました。
江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜は言うまでもなく日本史上の重要人物です。しかし、公人としての重圧から解き放たれた静岡時代には、写真や油絵などを楽しみ、市民に「慶喜さん」として親しまれる悠々自適の生活を送りました。
今回の展覧会では、慶喜のそんなプライベートな一面を貴重な作品を通じてかいま見ていただけるものと確信しております。


*寄贈の経緯*
 平成16年、静岡市清水区在住の方より、ある洋画作品の調査依頼がありました。その作品は徳川慶喜の作品としてその方のお家に伝来していたもので、洋風の額にはめられ、木箱に収められて大切に伝えられていました。  さっそく2名の学芸員が調査にうかがい、その後美術館にお預かりして調査を行いました。国内の明治洋画の研究者たちから「ほぼ間違いなく、徳川慶喜の作品である」とのご意見をいただくとともに、国内に所蔵されている慶喜の作品との比較により、当館としてもこれが最後の将軍の作品であるという確証を得るに至りました。  この調査結果をご所蔵者にご報告したところ、改めて「慶喜の作品であるということであれば、地元の県立美術館に寄贈したい」という意向が述べられ、寄贈されることとなったのです。


*今後の活用予定*
 徳川慶喜の油彩画は文化史的に大変貴重なもので、国内の所蔵はわずか5件にすぎません。また、当館のコレクション収集方針の一つとして「静岡県ゆかりの画家たちの作品を収集する」という柱があり、本作はその方針に沿ったものでもあります。  今後は、「徳川慶喜と幕臣の画家たち」といったテーマを設けて、慶喜の作品に既収蔵の川村清雄、石川欽一郎、小林清親などの作品をからめて展示する企画を考えていく予定であり、「静岡ゆかりの画家たち」展はその最初の機会となります。


*作品データ*
作    者 : 徳川慶喜(とくがわ・よしのぶ 1837−1913/天保8−大正2)
作 品 名 : 風 景
制作時期 : 明治初期(1868-1877頃)
素材・技法 : 紙、油彩
寸法(縦×横) : 31.0×45.0cm

+本件についての連絡先+

静岡県立美術館学芸課
Tel.054-263-5857  Fax.054-263-5742
担当:泰井(たいい)、村上、森



「静岡ゆかりの画家たち」TOPページ


展示日程 ロダン館 屋外彫刻 企画展実績
TOP MENU

ロゴマーク Copyright (c) 2005 Shizuoka Prefectural Museum of Art
禁無断転載・複写