移動美術館報告 《カレーの市民》 下田へ出張
昨年11月、下田市にて移動美術展が開催されました。今回の目玉はなんといっても、ロダン館から《カレーの市民》のうちの一体〈ジャン・デール〉が出品されたことです。350kg余という立派な体格の彼のこと、ましてロダン館から出ること自体が初めてということで、大がかりな作業のあいだ関係者は緊張しどおしでしたが、無事、「ベイ・ステージ下田」の展示室にすっくと立ってくれました。 その他、会場の立地にちなんで「海」をテーマにした絵画や版画、約30点が並びました。会場から目と鼻の先にある寝姿山を描いた高畠達四郎《伊豆下田港》をはじめ、伊豆を描いた作品も多く、ご来場の皆さまには親しみを持ってご覧いただけたようです。 会場側ご担当者や監視の方にも多大なご協力をいただき、会期中は予想を上回る来場者を迎えることができました。描かれた場所の現地調査もできたし、「今度は県立美術館に行ってみたいな」との嬉しい声も聞けたし、私達にとっても収穫の多い楽しい旅でした。
(当館学芸員 森 充代)
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