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夏休み子どもワークショップ マジカルえんぴつツアー(7/29‐8/1)
 美術館で行うワークショップは、美術館という場であるからこそできる内容でありたいと考えています。そこで当館では、創作だけでなく、展覧会や作品の鑑賞とからめたワークショップが、いろいろと試みられています。
 今年の夏休み子どもワークショップは、開催中の「もうひとつの明治美術」展との関連を考えました。明治時代中期の「不同舎」の画家たちは、鉛筆とスケッチブックを持ってひんぱんに写生旅行に出かけ、デッサンに明け暮れました。そこで、講師の石塚ツナヒロさんが考えたプログラムは、鉛筆デッサンを通して、ものをしっかりと見、しっかりと描き、さらには鉛筆の様々な技法で自分を表現することを、子どもたちに学んでもらおうとする内容でした。
 でも、そこは石塚さんの楽しいキャラクターのこと、子ども達の関心をかき立てるための、まさにマジカルな仕掛けが、盛りだくさんでした。9H から6B まで17 種類の鉛筆を体験した後、フロッタージュとコラージュで自分だけの虫を作る〈むしむしフロッタージュ・ツアー〉、スイカの柄をしっかり見て描き、その後、食べてしまう〈あじわい鑑賞ツアー〉、鉛筆で真っ黒に塗りつぶした紙が白黒に反転する〈ふしぎえんぴつツアー/海底たんけん〉、そして等身大にかたどった自分の体の周りを、これまで学んだ様々な鉛筆の技法で表現していく〈ぼくってふしぎ わたしってふしぎ/等身大掛け軸〉などなど。子ども達は、石塚さんとアシスタントの櫛田香織さんのガイドで、鉛筆表現の様々な世界を楽しくツアーしました。これは、明治時代の先達たちが写生旅行を通して探求した理念を、現代的に追体験するものでもあったと思います。
 なお、中学生と大人を対象に開催された「水彩画ワークショップ」(8/2-3)では、太平洋美術会の鈴木輝美氏、佐田昌治氏を講師に招き、色彩表現の基礎や、自然の中に色を探すワークショップが開かれました。
(当館学芸員 堀切正人)
様々な鉛筆表現を使って、
等身大掛け軸を作る。
消しゴムで描く! 
左が石塚ツナヒロさん。


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