コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

何気ない静物の中にさすがの風格

小出楢重 《静物》

1917(大正6)
キャンヴァス、油彩
78.4×90.8cm

画面にテーブルを広くとり、いくつかの静物を組み合わせる。背景には装飾的な壁紙を廻し、強い色で本作を引き締める。考え抜かれた構図とともに確かな技量を見せつける。

小出楢重(1887〜1931)  大阪生まれ。東京美術学校日本画科に入学、後に西洋画科に転科。暗く濃密な色彩ははじめなかなか認められなかったが、二科会で才能を開花させる。

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