コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

増殖する水玉模様

草間彌生 《最後の晩餐》

1981(昭和56)
ミクスト・メディア
(テーブル1,イス6,綿布,綿,既製品ほか)
テーブル:107×215×108cm
椅子:各80×45×54cm

テーブルと椅子を埋め尽くす色鮮やかな突起物。この詰め物をした布製の柔らかな突起物を作家自身はファルス(男性器)であるという。性に対する恐怖感を取り除く自己療法として生み出される造作物に、〈無題〉(No.214)の大画面にあらわれたドット(水玉模様)がここでも増殖をみせる。

草間彌生(1929〜) 長野県松本市生まれ。強烈な個性を放ちながらも、主要な現代美術の動向と密接な連関を見せる草間の足跡は、近年、精緻な再検証が行われはじめている。

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