すばらしき水の質感、透明感
狩野永納 《蘭亭曲水図屏風》
17世紀後半(江戸初期)
紙本金地着色、六曲一双屏風
各153.5×359.0cm
文献:60
王羲之が催した詩会。父山雪の同題作から、濃密な色彩と特異な形態感覚を引き継ぐ。山雪と異なるのは流水の描写で、群青の濃淡による水の質感、透明感の表現がすばらしい。まるで水中に手を差しこめそうなリアリティ。動きある少年たちの姿にも目を向けたい。
狩野永納(1631〜1697) 狩野山雪の子で京狩野第三代。日本絵画史の基本文献『本朝画史』の編著者としても著名。