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		橋本雅邦 《三井寺》
		
			1894(明治27)
			紙本着色
			130.5×64.0cm
		
		
			謡曲『三井寺』に取材、生き別れとなった我が子の元へ急ぐ狂気の母親を劇的に描く。黄や緑の鮮やかな曲線模様が美しく、動勢に富んだ構図などに近代の息吹を感じるが、鮮やかな琳派風の衣や石段の水墨の描写などには、次代を担う画家たちに伝統を引き継ごうとする雅邦の意気込みが溢れている。
		
		
			
				橋本雅邦(1835〜1908) 狩野派の家に生まれる。幕末から明治への橋渡し役を担い、大観・春草ら次代の画家を育成した。
			
		 
		
		
