コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

チャーミングでありながら心憎い作品。

飯田昭二 《Half and Half》

1968(昭和43)
鳥籠、靴、鏡
48.4×50.0×50.1cm

鏡の錯視効果を巧みに生かした作品。鳥かごの真ん中に仕組まれた両面鏡の板によって、実際には片方ずつ色の異なるパンプスが、まるで同じ色の一対が置いてあるかのように見える。かたや実物を、かたや鏡に映った像を同時に見て、見る者だれもが、対等の関係で目に映る実像と虚像の関係性に惑わされる。

飯田昭二(1927〜) 静岡市生まれ。奉天省順育成工業学校卒業。
1966年にグループ「幻触」の活動に参加し、鏡の錯視効果を作品の一部に取り入れたトリック的な作品を発表する。

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