コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

かまぼこのように切ってしまった石

小池一誠 《No.1 石》

1969(昭和44)

約130×約110×約40cm(展示した状態で)

小池は人間も石と同じ世界の一部ととらえ、その人間が自然とどう関わりあえるかという意識に基づいて制作に取り組んだ。石をまるでかまぼこか何かのように切ったこの作品もまた、「見る」という習性に疑いを向け、身体や想像力を世界に向けて開示しようと、自然と関わりあった作家の行為の痕跡ともいえる。

小池一誠(1940〜2008) 横浜市生まれ。1962年多摩美術大学卒業後、清水の高校で教鞭をとる傍ら、1966年グループ「幻触」の活動に参加。石を使った作品を、1960年代末〜70年代初頭の現代美術の重要な展覧会に、複数出展している。

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