コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

本物の箱みたいだ!

丹羽勝次 《箱シリーズ '68》

1968(昭和43)
プリント合板、縄
148.5×92.0×5.0cm

人間の眼の錯覚を利用して、二次元のイメージを三次元の立体に見せかけた作品。表面に取り付けられた梱包用の紐によって、立体感はいっそう際出っている。絵画の歴史において長らく三次元空間を二次元化する技法として用いられてきた遠近法を逆用することで、絵画のメカニズムそのものをあぶりだしている。

丹羽勝次(1931〜) 袋井市生まれ。1956年静岡大学卒業後、新制作派協会への出展、入選を重ねた後、1966年グループ「幻触」の活動に参加。1968年「トリックス・アンド・ヴィジョン」をはじめとする展覧会に「箱」シリーズを発表。

一覧へ