コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

描かれた名画のイメージ

鈴木慶則 《非在のタブロー(キリコによる)》

1967(昭和42)
キャンヴァス、油彩、木
101.8×82.0×8.0cmイーゼル 251.2×85.4cm

額縁入りの絵画とイーゼルの組み合わせからなるこの作品は、絵画の右半分にジョルジオ・デ・キリコが描いた絵画のモチーフが写され、もう半分にキャンヴァスの裏側が描かれている。いわゆる名画の原物の鑑賞価値は剥ぎ取られ、とり残された図像のイメージが、キャンヴァスの裏地と同等に、作品の一部を構成する素材として扱われている。

鈴木慶則(1936〜2010) 旧清水市生まれ。1958年多摩美術大学卒後、評論家石子順造との親交を介して地元作家とともにグループ「幻触」を結成。1960年代末〜70年代の重要な展覧会に、絵画における表現の問題をテーマにした「非在のタブロー」シリーズを複数発表した。

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