コレクション風景の交響楽(シンフォニー)

むき出しの物質

ドナルド・ジャッド 《無題》

1990
黒のアノダイズド・アルミニウム、
ブロンズ色のプレキシグラス(10ユニット)
各15.2×68.5×61.0cm

同じサイズ、同じ形の10個の立体物が床から天井にかけて床と水平に等間隔で壁に取り付けられている作品。表面に黒のアルマイト加工をほどこしたアルミニウムと、軽く透明感のあるプレキシガラスという素材でできている。作家の感情や即興性を感じさせないむき出しの物質性は、絵画や彫刻よりもむしろ建築への接近をみせる。

ドナルド・ジャッド(1928〜1994) アメリカ・ミズーリ州生まれ。美術批評家として活動しながら、絵画を学ぶ。1960年代に抽象絵画を3次元の立体に展開させた作品を発表し、60年代以降のミニマルアートの動向に多大な影響を与えた。

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