1974
紙、リトグラフ、シルクスクリーン
91.0×738.0cm
1964から65年にかけて制作した部屋の大きさほどの油彩画を版画に置き換えた作品である。タイトルのF-111とは、四枚に渡る画面を横断してその全体像を出現させている当時最新鋭のアメリカの戦闘機の名称。オリジナルの油彩画が制作された数年前に、初飛行し話題になった。笑みを浮かべる少女の頭上にはメカニカルなヘア・ドライアー、臓物のようにも見える不気味なスパゲティー、水爆実験のきのこ雲、マスメディアに現れた通俗的なイメージの断片をアイロニカルに組み合わせている。
ジェームズ・ローゼンクイスト(1933〜) アメリカ、ノースダコタ州生まれ。ポップ・アートの代表的な作家の1人である。大都市で広告板を描く経験で培ったスケール感覚と技術を生かし、現代消費社会の中にあらわれるイメージを大画面に表した。