今日の日本では、産業や医療の現場から漫画・アニメ等のフィクションに至るまで、社会のあらゆる場面でロボットが重要な役割を果たしています。なかでも人の形をした「ヒューマノイド」は、美術をはじめとする諸芸術において身体の表現と結びつき、独自の展開をとげてきました。本展は、ロボットと美術とのかかわりの歴史を紹介し、その文化史的意義を問うものです。
「ロボット」という言葉は1920 年、チェコの文学者カレル・チャペックの戯曲『R.U.R.』において、初めて登場しました。その後、新しい芸術運動や科学技術と結びついたロボットは、20 世紀初頭の文化を華やかに彩るスター的存在となります。ロボットは同時代の日本にも到来し、1924 年には築地小劇場が『R.U.R.』を翻訳上演、1928 年に開催された大礼記念京都大博覧会には《學天則》というロボットが出品されました。
戦後、ロボットは大衆文化において、なくてはならない存在となりました。ロボットをモチーフにした漫画やアニメは娯楽作品としてだけでなく、ヒューマニズムや、時に反体制的なテーマも扱う、深く重厚な物語にまで発展しました。そうしたロボットのイメージは、現代の様々な分野における研究者やクリエイターに大きな影響を与 えています。
本展は、20 世紀に生み出された「ロボット」をメインモチーフとしてとりあげることにより、科学技術と芸術、そして私たちの身体観の相互的な結びつきを明らかにしようとする試みです。
開催期間 | 2010年 9月18日(土)〜11月7日(日) |
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開館時間 | 午前10時〜午後5時30分 (入館は午後5時まで) |
休館日 | 毎週月曜日 ただし9/20(月・祝)及び10/11(月・祝)は開館し、翌火曜日休館。 |
観覧料 |
一般 900円(700円) 70歳以上 400円(300円) 大学生以下 無料 ※()内は20名以上の団体および前売料金。 ※収蔵品展、ロダン館も併せてご覧いただけます。 ※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方と付添者1名は、無料。 |
講演会 <講堂にて、定員250人、当日先着順、入場無料> |
「機械と生命のあいだ —ロボットの"いのち" をどのように展示する?」 9月20日(月・祝) 14:00〜16:00 講師:瀬名秀明(作家) |
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ワークショップ <実技室にて> |
「マンモス・ロボットと美術10」 ※終了しました。 10月2日(土) 10:15〜12:30/13:30〜15:45の2回 小・中学生を含む親子対象の工作作業をともなうイベントです。 ※要申込み。材料費が必要です。定員 各回親子10組まで。 ※9月18日(土)10時より電話受付開始!《先着順》 「ペーパーロボットをつくってジオラマあそび!」 ※受付終了しました。 10 月30 日(土) 10:15〜12:15/13:30〜15:30の2回 大人から子供まで幅広い年齢層の方に参加していただけるワークショップです。 ※要申込み。材料費が必要です。定員各回25名程度。 |
主催:静岡県立美術館、静岡新聞社・静岡放送 助成:財団法人地域創造
協賛:静岡模型教材協同組合、株式会社タミヤ 協力:株式会社キャラアニ